第31回: 借地権(リースホールド)と所有権(フリーホールド)<中編>
■ 特 集 『リースホールド(Leasehold)とフリーホールド(Freehold)』━━━━・・・・・‥‥‥………
マレーシア不動産投資のススメ ── 不動産購入前の注意事項、運営管理から投資戦略まで (現代の錬金術師シリーズ)
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今回は、マレーシアのリースホールドとフリーホールド<中編>をご紹介いたします。
【リースホールドとフリーホールド制度の経緯】
マレーシアは1950年に独立して以来、もともと土地は州政府に管理・所有されていました。
それを州政府がプランテーション事業の目的のために譲渡した土地がフリーホールドとして開発され、それ以外は、州政府が賃貸するリースホールドとして開発されています。
特にフリーホールド物件は、プランテーション事業を行っていたサイム・ダービー、IOIプロパティ、クアラルンプールケポンなどの大手不動産開発業者が開発した物件であることが多いです。
州政府が、フリーホールドかリースホールドかを決めるとき、そのエリアの需要と国家の成長率を考慮して決めたといわれ、比率でいうと、約40%がフリーホールドで、残り約60%がリースホールドです。
ちなみに首都クアラルンプールの近郊、クランバレーで開発される16案件のうち9案件のみフリーホールドで、それ以外はリースホールドです。
一例として、森林保護区として指定されたブキット・ジャリルの土地、アイアンリバー (Kuala Lumpur)などクランバレーにある物件は50年以下のリースホールド案件です。
【リースホールドの更新について】
リースホールドは一定のリース期間がありますが、もちろん更新することも可能です。
そして、一般的に、リースホールドを更新する場合、州政府の承諾が必要になります。
更新する場合の承諾についてですが、2010年12月、 副首相のタンスリ ランカヤシン氏は、「公共工事の目的がない限り、すべての州政府は99年を超えない期間でリースホールドの更新申請を承認する」と発表しています。
通常、特段拒否する理由がなければ更新が認められ、万が一、州政府が申請を却下した場合でも、再審査を請求することができます
日本では、借地権というと抵抗がある投資家が多いですが、このような制度の仕組みや政府が更新申請を承認するという発表もあるので、マレーシア人ローカルにとって借地権(リースホールド)は一般的な権利形態であり、そこまで抵抗なく購入しているようです。
また、すべてのリースホールド権利に州の同意が必要であるということではありません。
逆に、フリーホールドでも同意を必要とする物件があり、購入者は注意しないといけません。
フリーホールドで規制がある例として挙げるとすると、ケラナジャヤのセミデタッチタイプの物件です。その物件についてはリースホールドからフリーホールドに変更されましたが、承諾は引き続き必要となります。
そのほか、特に注意しなければいけない権利形態は、「制限付き物件」を取引する場合です。
条件に「制限付きリースホールド」と「制限付きフリーホールド」とある場合、共にすべての取引に州政府の同意を得なければなりません。
続きは、今後の勉強会等でご紹介したいと思います。
以上、リースホールドとフリーホールド<中編>でした。
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