第26回： 民間企業による国民車メーカー買収

3月にマレーシアで取引された民間コングロマリット企業による政府系国民車メーカーの大型M&Aのケースをご紹介します。

ニュー・ストレーツ・タイムズによると、HICOM(マレーシア重工業公社)を前身とするマレーシアの複合企業（コングロマリット）自動車大手のDRBハイコムは、政府系投資ファンドのカザナ・ナショナルが保有する国民車メーカーであるプロトン・ホールディングス株42.7％を総額30.2億リンギ（350億円）で取得したと発表がありました。

DRBハイコムは、自動車関連事業が主体で、もともとプロトンの筆頭株主でしたが、アジア通貨危機の影響で経営難に陥ったため、2000年3月にプロトン株をペトロナスに売却していました。
DRBハイコムは、今回の買収で再び、プロトンを傘下を収めたことになります。

プロトンとはマハティール首相が「国民車構想」の一環として設立した国策会社で、公用車やタクシーにも採用され、一時は国内シェア6割を占めていました。
しかし、外国車に押されて販売が低迷し経営不振に陥っており、 それに加えプロトンが1996年に買収した英ロータスの不採算も重荷になっていました。

今後、プロトンの再建がDRBハイコム主導で行われ、外国メーカーとの提携を活かした生産受託の強化していくそうです。

マレーシアの民間企業がどこまでできるのか、手腕が試されそうです。

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