第34回: マレーシアの鉄道インフラ整備 (前編)

■ 特集『マレーシアの鉄道インフラ整備 (前編)』━━━━・・・・・‥‥‥………

マレーシア不動産投資のススメ ── 不動産購入前の注意事項、運営管理から投資戦略まで (現代の錬金術師シリーズ)

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今回は、マレーシア、クアラルンプールの地下鉄・都市鉄道全路線をご紹介します。

マレーシアの首都クアラルンプールの鉄道インフラ整備は、東南アジアの中でも導入が早く、1994年から都市鉄道の運行を開始しています。
現在、路線の規模は300kmを越え、その路線の長さは東南アジアで第一位を誇っています。

クアラルンプールの鉄道運営業者は合計3社あり、ライトレール2路線とモノレール1路線を運営する「RapidKL」、マレー鉄道の通勤電車を運行する「KTM Komuter」、そして、KLセントラルとクアラルンプール国際空港を結ぶKLIAエクスプレス・KLIAトランジットを運営する「Express Rail Link」です。
それでは、運営会社別にクアラルンプールの地下鉄・都市鉄道全路線を紹介していきましょう。


1). RapidKL


RapidKL(RapidはRangkaian Pengangkutan Integrasi Deras Sdn Bhdの略=マレー語で「マレーシア統合トランスポートネットワーク社」)は、2004年に創立した列車、バスを運行する政府出資の会社です。
現在、アンパン線、クラナジャヤ線、モノレール線の3路線の鉄道運営および路線バス運営を行っています。当初は路線ごとに別会社で運営されていましたが、経営状況の悪化により同社が買収し、複数の改革が行われています。


路線:クラナ・ジャヤ線、アンパン線
駅数:49
総延長:56km
乗客数:20万人以上/日(2005年)


a. RapidKL アンパン線

RapidKL アンパン線はSentul Timul(セントゥルティムール駅)からChan Sow Lin(チャン・ソウ・リン駅)を経由してAmpang(アンパン駅)に向かうルート(上記C)と、Sri Petaling(スリ・プタリン駅)に向かうルート(上記D)の、2つのルートに分かれます。現在、Sri Petaling〜Putra Heights(プトラヘイツ駅)間13駅17.7kmが延伸予定で、Putra Heightsではクラナジャヤ線と接続する見込みです。

ちなみにアンパン線はこれまで路線名を2度変更しています。開業時はSTAR Line(STARはSistem Transit Aliran Ringanの略=マレー語で「ライトレールトランジットシステム」の意味) と呼ばれており、2005年よりアンパン線とスリペタリン線、その後両路線を総称してアンパン線とされました。


路線:アンパン線
駅数:25
総延長:27.0km
列車: 2両連接車を3ユニット繋げた6両編成で運転




b. RapidKL クラナジャヤ線

RapidKL クラナジャヤ線はGombak(ゴンバック駅)〜Kelana Jaya(クラナジャヤ駅)間を結ぶ路線で、今後Kelana Jaya〜Putra Heights(プトラヘイツ駅)間13駅17.0kmが延伸予定です。
(別名PUTRA LRT (PUTRAはProjek Usahasama Transit Ringan Automatik Sdn Bhd,の略=マレー語で「自動軽量軌道パートナーシッププロジェクト株式会社」(同線の開発・運営を行っていた会社名)) とも呼ばれています。)
Ampang Park(アンパンパーク駅)〜Masjid Jamek(マスジットジャメ駅)間が地下区間で、同区間が現在のところマレーシアで唯一の地下鉄です。

当路線で使われているBombardier(ボンバルディア)製の標準車両はアジアで最初に導入され、東南アジア初の全自動運転(無人運転)を行うリニアモーターカーの路線で有名です。同型をベースにした車両が、中国・北京地下鉄機場線と韓国・エバーライン(龍仁軽電鉄)でも導入されています。


路線:クラナジャヤ線
駅数:24
総延長:29.0km (高架区間22.3km、地平区間2.1km、地下区間4.6km)
列車: 2両編成ないし4両編成で運行 (2009年12月30日より4両編成の列車運行を開始)




c. RapidKL モノレール線

RapidKL モノレール線(KLモノレール)はKL Sentral(ケイエルセントラル駅)からTitiwangsa(ティティワンサ駅)を結ぶ路線です。この路線は、マレーシア初かつ唯一のモノレールの路線です。

1997年に日立製作所の技術で建設工事が開始されましたが、アジア通貨危機の影響で同年12月に建設凍結。1998年7月に車両を自国製(MTrans社)にする等してコストを低減し、工事を再開しました。また、計画当初は第1期区間(8.6km)と、第2期区間(12km)に分けて建設される予定でしたが、後者はアジア通貨危機により計画中止となりました。

1998年よりKL Infrastructure Group Bhd.の子会社のKL Monorail System Sdn Bhd.が建設・経営を行っていましたが、減価償却費や利子支払による損失により2007年5月15日に破産宣言。同年11月29日に政府出資のSyarikat Prasarana Negara Berhad(SPNB)社に売却し、同社の子会社のRapidKLに運営が引き継がれました。


路線:モノレール線
駅数:11
総延長:8.6km
列車: 2両編成で運行 

     

運賃については、それぞれ独立しており、RapidKLの路線は、路線ごとに別運賃となっています。RapidKLとKTM KomuterはプリペイドICカード乗車券「Touch'n Go」を利用でき、 発売額はRM20(日本円で約500円)で、うちRM10がカード代、RM0.5がチャージ手数料となっています(利用可能額はRM9.5)。また、RapidKLが運営するバス路線等にも利用できます。

続きは、後編で。。。



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